箱根の東大応援部に見た応援の力

最近恒例になった箱根駅伝詣

箱根駅伝は応援団にとっては1年のスタートになったり、1年の締めくくりになったりと、それを見る側にも楽しみな行事。
今年は往路大手町にて応援して歩いた。
いや、走った。

応援開始から終了までが約1時間。
関係のある帝京大学から國學院大學まで見事に端と端にバラけているのが何かの陰謀か。
ここ4年、毎年端から端まで走る羽目になっている。
普段のトレーニング量比率で考えれば、駅伝ランナーと同じくらいの運動をしているのではないかと思う。

そんな誰も知らない『裏箱根ラン』も、各大学応援団の熱い応援を勝手に背に受けて走るので何とかがんばれる。
『本気の応援』『生で聞く応援』は、やはりいい。

東大応援部、大手町に立つ

2019年、今年の箱根には、東京大学運動会応援部の姿があった。
学生連合の一員として東大陸上応援部の近藤選手が出場するためだ。

青葉応援団とも縁の深い東大応援部の、正月まさにハレの舞台にもちろん(走って)足を運んだ。

東大応援部はこの応援に新体制で臨んだ。
昨年よりも倍の人数に増えた新幹部の面構えは、つい一月前の淡青祭の時とは比較にならないほど引き締まっていた。

応援歌『闘魂は』

揺るぎない覚悟の表れに頭を丸めたリーダー長三竹くんが振る『闘魂は』は近藤選手の背中を押し、気持ちを高めるのに十分以上のものだった。

「おおわが東大栄えある学府。おおわが東大栄えある学府」
東大病院で生まれたことによりギリ『東大生(まれ)』である私。
「わが東大」と歌っても間違いではないはずであり、私の応援歌と言っても過言ではない。
本当に良い応援歌である。

気合いの拳

途中、1つのアクシデントがあった。
しかし、もしかするとこのアクシデントに気が付かなかった人も多かったのではないかと思う。
リーダー長三竹くんが、気合いの拳でこのアクシデントを帳消しにしていたからだ。

応援の最中に太鼓を叩いていた手から、バチがするりと滑り飛んでしまった。
たまたまそこに目をやっていた私はドキッとした。
どうする!?

しかし、リーダー長は冷静、そして私の心配など全く必要がない気合いでこの舞台に臨んでいた。
1つの音も欠けさせず、自らの拳で太鼓を叩き続けたのである。
その表情を見ると、焦りの色は見えず、むしろ一段と気合が入ったかのようにも見える。

拳で打ち鳴らした太鼓の音は、バチでの音に勝るとも劣らない、大きく力強い音だった。
心が熱くなり、より応援に気持ちがこもった。
ピンチをチャンスに変える、これが東大応援部リーダー長の力である。

KONDOコール

そして待ってましたのお待ちかね、チャンスパターンメドレー『ヴィクトリーマーチ』は、主務の渡邊くんの学生注目から始まった。
自分の体型と近藤選手の体型を比べた内容で笑いを誘う。
確かに渡邊くんが一瞬サンタクロースに見えたがそれは目の錯覚だったようだ。

おなじみのTOKYOコールをこの日はKONDOコールに置き換え、集まった人々で力の限り叫ぶ。
コールからの『不死鳥の如く』は東大の応援の中で最もアガる瞬間の1つだが、新幹部4名揃い踏みで振るそれは近藤選手の力走を表しているようだった。

四面東大歌

考えてみるとこれは、かの劉邦が垓下の戦いで使い項羽軍の士気を失わせた『四面楚歌』の効果を逆手に取った形ではないかと気がつく。

四面東大応援歌・コール・チャンスパターンメドレーによって作り出された『ホーム』の安心感は、たった1人の東大生ランナーの力を最大限に引き出す助けになったであろう。

『応援団』で何が悪い!?

応援団に対するアンチテーゼの根拠に『非論理的で非効率』というものがある。
しかし今回、東大応援部の応援を見る限りは、実に論理的で効率が良い、かつ歴史的にも実績のある方法であると思う。

さすが東大応援部。
応援団に対するアンチテーゼを見事にアウフヘーベンしている。

『応援団』で何が悪い!?

投稿者について

まちけん

まちけん

青葉応援団運営委員長・応援団研究家